「食事摂取基準」から考える重要な栄養素

栄養バランスの良い食習慣を考える際の指標として、「日本人の食事摂取基準」を見ていきます。
エネルギーや栄養の不足、または過剰摂取による健康障害や生活習慣病の予防などを目的として厚労省が策定した摂取量の基準です。

「日本人の食事摂取基準」は、健康増進法(平成14年法律第103号)第16条の2の規定に基づき、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を厚生労働大臣が定めるもので、5年毎に改定を行っています。

厚労省HP「『日本人の食事摂取基準策定検討会』の報告書を取りまとめました」

不足しがちなエネルギーや栄養素(たんぱく質、脂肪酸など)、逆に過剰に摂取しがちな栄養素(脂質、ナトリウムなど)について「摂取量」や「耐容上限量」といった指標で性別・年齢別に示されています。
詳しく知りたい方は、厚労省HP「日本人の食事摂取基準」をご覧ください。

先ずは「栄養成分表示」に着目

食事摂取基準で扱われる栄養素ですが、その数なんと34種類。
項目に応じて5種類の指標がありますが、特に重要とされるのが以下の6項目です。

  1. 熱量
  2. たんぱく質
  3. 脂質
  4. 炭水化物
  5. ナトリウム(食塩相当量)
  6. 主要栄養素バランス

容器包装に入れられた一般用加工食品及び添加物には、食品表示基準に基づき、栄養成分の量及び熱量の表示(栄養成分表示)が義務付けられており、必須項目として上記1~5がこの順番で表示することとされています。詳しくは消費者庁HP「栄養成分表示について」をご覧ください。

これらの5つの項目は、生命の維持に不可欠であるとともに、日本人の主要な生活習慣病と深く関わっています。栄養成分表示は、健康づくりに役立つ重要な情報源になります。

消費者庁HP「食品の栄養成分表示制度の概要

「エネルギー産生栄養素バランス」とは

エネルギー産生栄養素バランスは、「エネルギーを産生する栄養素(energy-providing nutrients、acronutrients)、すなわち、たんぱく質、脂質、炭水化物(アルコールを含む)とそれらの構成成分が総エネルギー摂取量に占めるべき割合(% エネルギー)」としてこれらの構成比率を示す指標である。

日本人の食事摂取基準(2020 年版)「1―5 エネルギー産生栄養素バランス

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活習慣病の発症予防とその重症化予防を目的として、新たにエネルギー産生栄養素バランスの目標量の範囲が設定されました。
Protein(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)の頭文字をとりPFC比率と呼び、理想のバランスはP 15%(13-20%):F 25%(20-30%):C 60%(50-65%)と言われています。
例えば1日に2,700kcalを摂取する場合、405kcalをタンパク質から、675kcalを脂質から、1,620kcalを炭水化物から、これを重量に換算すると、タンパク質約100g、脂質約75g、炭水化物約400gとなります。

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