シンプル菌活の大黒柱「納豆」(3)

いそがしいヒトでも、すぐに始められて長く続けられる発酵食生活、「シンプル菌活」を提案します。
日本を代表する発酵食品である納豆。栄養価が高く、その「手軽さ」と「手頃さ」でシンプル菌活にも欠かせない食材です。前回に引き続き、今回も納豆のお話、三回目です。

「納豆」を食べるのに必要な「混ぜる回数」は!?

納豆を器に出して、それに何も加えないで、そのまま、二本の箸でよくねりまぜる。そうすると、納豆の糸が多くなる。蓮から出る糸のようなものがふえて来て、かたくて練りにくくなって来る。この糸を出せば出すほど納豆は美味くなるのであるから、不精をしないで、また手間を惜しまず、極力ねりかえすべきである。

魯山人味道「納豆の拵え方」より

「混ぜるほど美味しくなる」といわれる納豆。「424回混ぜると最も美味しい」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、魯山人の執筆した文には明記されておらず、後の研究によって後付けされた回数だそうです。
納豆の粘り成分は、大豆のたんぱく質が納豆菌により分解され、菌体外に生産した「γ-ポリグルタミン酸」と糖の一種である「フラクタン」によって引き起こされます。混ぜることによってγ-ポリグルタミン酸の分子が引き裂かれ、旨味成分であるグルタミン酸が一部遊離して旨味が増すとされています。混ぜるほど粘り気は増しますが、栄養量的には50回程度かき混ぜて1.3倍に増えたところで頭打ちだそうです。

菌八先生

タカラトミーアーツ社製「魯山人納豆鉢」は、
「かきまぜること305回、さらに醤油を加え119回、計424回まぜる」
を手軽に再現できるクッキングトイ(手動)です。

「納豆」が、実は夜にオススメの理由

「シンプル菌活メニュー」では朝食の要である納豆ですが、実は夕食の一品に加えるのがオススメです。その理由は。。。

  • 血栓を溶かすナットウキナーゼは、食後4時間が最も活性化し、8~12時間効果が持続します。納豆を夕食時に食べることで、血栓が発生しやすい夜から朝にかけて、ナットウキナーゼが存分に効果を発揮してくれます。
  • 睡眠中は唾液の分泌が減少し、口内で風邪の原因となるウイルスが増殖しやすい時間帯ですが、納豆の成分である、抗菌と殺菌作用を持つジピコリン酸が、これに対抗する働きをしてくれます。
  • 睡眠中、肌のダメージは成長ホルモンが修復しますが、納豆のビタミンB群が成長ホルモンに働きかけることで、肌の修復力が高まります。

以上、良いことづくめの「夜納豆」ですが、納豆だけでなく、実は「キムチ」も夜にオススメです。

  • 腸の働きが活発な昼間と異なり、夜は比較的乳酸菌が長く腸内にとどまって、善玉菌が増える可能性が高くなります。
    夕食で食べれば、寝ている間に腸内環境が整って、朝起きたときに便秘がスッキリ改善される効果が期待できます。
  • リラックス効果のあるGABA(ギャバ)が含まれているため、夕食後に神経の高ぶりを鎮め、快眠につながります。
菌八先生

「シンプル菌活メニュー」では納豆キムチが朝食の一品になっていますが、実は夕食の献立に加えるのがオススメです。
私は職場で夕食をとることが多く、周囲への臭いが気になるため、「夜納豆」は避けています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です