シンプル菌活の原点!「そもそも発酵とは」

いそがしいヒトでも、すぐに始められて長く続けられる発酵食生活、「シンプル菌活」を提案します。正しい菌活は正しい知識から。そこで先ずは原点に立ち返って「そもそも発酵とは何か」を勉強します。

  • 発酵は生物の生命活動。「呼吸」よりもはるか昔から行われていた。
  • 「発酵」と「腐敗」実は同じ現象、違いは有益か有害か。
  • 発酵食品の歴史は有史以前から8000年以上続く人類の英知。
    日本が発酵大国になったきっかけは、弥生時代後期の「麹」の発明。

「発酵」は生物の生命活動

「発酵」は生物の生命活動の一つで、微生物のはたらきで有機物が分解され、なんらかの物質が生成される現象のことです。おなじみの「呼吸」「光合成」と合わせて「生物の三大生命活動」と言います。はじまりとしては呼吸や光合成が発生するよりもはるか昔から、発酵という現象が起こっていたそうです。

菌八先生

30億年前に発生したラン藻によって始まった「光合成」と「呼吸」。「発酵」は、それよりも前、空気が存在しなかった時代から行われていた!

「発酵」と「腐敗」は同じ現象

発酵と腐敗は実は同じ現象ですが、生成された物質が人体に有益に作用する場合を「発酵」、逆に有害に作用する場合を「腐敗」といいます。発酵によって食品の保存性が高まるのは、発酵を行う微生物「発酵菌」の生命力が強く、同じく「腐敗菌」の侵入を防ぐためです。発酵によって生成される独特の香りを「発酵香」、腐敗による悪臭を「腐敗臭」といいますが、発酵香を「悪臭」と感じるヒトもおり、例えば同じ日本人でも「納豆は臭い」と言う人が多いことからもわかります。そのほかにも発酵食品には特殊の臭いを放つモノが多く、好き嫌いが分かれる食品です。世界一臭い食べ物といわれるスウェーデンの発酵食品「シュールストレミング」の臭いは、納豆のおよそ20倍だそうです。

発酵食品の歴史

発酵を表す「fermentation」はラテン語で「沸き立つ」という意味の「fevere」を語源としており、アルコール発酵の際に炭酸ガスが発泡する様子に由来すると言われています。このことから「発酵食品のはじまりはアルコール発酵である」とする説が有力で、世界各地に太古から酒造りが行われていたことを示す遺跡があります。
日本の発酵食品は縄文・弥生時代に行われていた「口噛み」が始まりです。穀物や木の実などを口に入れて噛み、吐き出して溜めたものを発酵させ「口噛み酒」をつくっていたそうです。弥生時代後期には米飯にカビが生えた「麹」が利用されるようになり、ここから発酵大国日本の食文化が盛んになっていきます。室町時代には麹を専門に製造・販売する「種麹屋(もやしや)」という商人が登場し、発酵食品の多様化・普及に大きく貢献しました。

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