美味しくてクセになる「発酵食品の魅力」

いそがしいヒトでも、すぐに始められて長く続けられる発酵食生活、「シンプル菌活」を提案します。正しい菌活は正しい知識から。 今回は「発酵食品の魅力」について学びます。
発酵食品は冷蔵技術のない時代に食品を保存する技術として発展しましたが、発酵が食品に付加するメリットは他にもあります。発酵に関わる微生物は主に3種類。細菌、酵母菌、そしてカビです。一つの食品に複数の微生物が関わっているのが、日本の発酵食品の優れた点です。

発酵食品「5つのメリット」

発酵食品は、冷蔵技術のない時代に食品を保存する技術として発展しました。「発酵菌」が生成する酸によって、「腐敗菌」がその食品に入りづらくなるためです。発酵はその他にも様々な恩恵を食品にもたらします。ほとんどの家庭に冷蔵庫が普及している現在でも、発酵食品がわれわれの生活に欠かせない存在となっているのはそのためです。

発酵食品 5つのメリット
1.保全性向上・・・・発酵菌が腐敗菌の繁殖を妨げる。
2.栄養価付加・・・・発酵の過程でビタミン等の新たな栄養価が加わる。
3.美味しさアップ・・「うま味」「甘味」「香り」が加わる。
4.消化吸収率向上・・タンパク質等が分解され、吸収されやすくなる。
5.腸内環境向上・・・腸内細菌のエサとなるオリゴ糖などを多く含んでいる。

発酵食品に関わる「3種の微生物」

発酵食品に関わる微生物は大きく3種類。細菌、酵母菌、そしてカビです。日本の発酵食品は一つの食品に複数の微生物が含まれるのが特徴で、それら微生物をつなぐ役割をはたしているのが「麹」です。「麹の発見によって、日本が発酵大国へと発展した」といわれるのはそのためです。例えば代表的な3つの発酵食品には、以下のような微生物が含まれています。

  発酵食品  細菌酵母菌カビ
醤油乳酸菌  醤油酵母    醤油麹菌  
味噌乳酸菌味噌酵母黄麹菌
日本酒乳酸菌
(使わないモノもある)
 清酒酵母 黄麹菌

発酵食品における「三大発酵」

発酵食品の製造において代表的な三種の発酵が、乳酸菌による「乳酸発酵」、酵母菌による「アルコール発酵」、酢酸菌による「酢酸発酵」で、これらを発酵食品における「三大発酵」といいます。

発酵食品における「三大発酵」
乳酸発酵・・・・・乳酸菌が嫌気的(空気がない)条件下で糖類を分解して乳酸を生成。
アルコール発酵・・酵母が嫌気的条件下で糖類を分解し、アルコールと炭酸ガスを生成。
酢酸発酵・・・・・酢酸菌が好気的(空気がある)条件下でアルコールとブドウ糖から酢酸を生成。

三大発酵は全て微生物の働きによるものですが、直接微生物によるものだけでなく、微生物の生成する酵素による分解や自己消化も発酵に含めることがあります。

発酵を抑える「五大要素」

微生物の環境を変化させることで、活性化させたり、逆に働きを抑えることができます。こうした微生物のコントロールによって、おいしさや栄養素が千差万別の発酵食品が生み出されます。微生物の活動を活発化させる主な要素として、温度、酸素、酵素、水分などがあります。逆に抑制化させる要因としては、加熱、塩、乾燥、冷却、アルコールなどがありますが、どの要素がどの程度影響を及ぼすかは、反応する側の微生物によってまちまちです。

発酵を抑える「五大要素」
加熱・・・・・発酵速度を抑えたり、止めたりできる。
塩・・・・・・浸透圧で水分をだし、保存性が高まる。
乾燥・・・・・雑菌をはじめ一般的な微生物が生育しにくくなる。
冷却・・・・・冷蔵で発酵を遅らせ、冷凍で発酵を止める。
アルコール・・味噌における酒精など。

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